みなさんはお子さんの学習にどのようにサポートしていますか?
「しっかりと勉強はやらせないと!」とか「ガミガミ言ったら余計にやらなくなるかな?」とか色々と不安になることがあるのではないでしょうか?
そこで今回ご紹介したい考え方は「識学」という理論です。これは組織の行動を分析し、改善するためのマネジメント理論です。ですが個人の行動にも応用して利用することができます。そのため子どもの学習を効果的にサポートすることができます。
子どもが目標を設定し、それに向けて行動するための方法を学ぶことができます。また、子どもが自分の行動を客観的に分析し、改善するための方法も学ぶことができます。これらのスキルを身に付けることで、子どもはより効果的に学習を進めることができるようになります。
さらにモチベーションを高めるためにも有効です。識学では、子どもが自分の行動に責任を持つことの重要性を学ぶことができます。また、子どもが自分の目標を達成することの喜びを味わうこともできます。これらの経験は、子どものモチベーションを高め、学習に対する前向きな姿勢を身に付けさせるのに役立ちます。
このように子どもの学習を効果的にサポートできるマネジメント理論が「識学」です。識学を学ぶことで、子どもは目標を達成し、学習の喜びを味わうことができます。
それでは識学の理論を活かした教育法を取り入れるための4つのヒントを紹介します。
【その1】SMART目標を設定する
はじめに目標設定です。さらにはSMART目標を設定すつことが重要です。
SMART目標の意味は次のとおりです。
- 具体的(Specific):目標は具体的で、明確に定義されている
- 測定可能(Measurable):目標は、達成の進捗状況を測定できる
- 達成可能(Achievable):目標は、現実的で、達成可能である
- 関連性(Relevant):目標は、個人や組織の全体的な目標に関連している
- 期限(Time-bound):目標には期限が設定されている
まずは子どもにSMART目標を設定してもらうことです。識学では、子どもが目標を設定し、それに向けて行動することが重要であると考えています。子どもには、具体的で測定可能で達成可能で関連性があり、期限のある目標を設定してもらうようにしましょう。
例えば、次のような目標の設定の仕方があると思います。
- 具体的:前回が90点だったため、数学のテストで95点以上取る。
- 測定可能:テストの点数を記録することで、進捗状況を測定できる。
- 達成可能:学校のワークと教科書の問題をできるようにすることで、この目標は達成可能である。
- 関連性:高校入試の選択肢を広げるため。具体的な目標に対し関連がある。
- 期限:テストの1週間前に取り組みを達成する。
これらの例はあくまでも参考であり、中学生の個々の状況によって、効果的な目標は異なります。中学生のSMART目標を設定する際には、子どもの興味、能力、目標をよく考慮することが大切です。
逆に良くない目標の例として、「テストは勉強を頑張る」や「家庭学習をしっかりやる」など数値で表せない測定不可の目標です。測定ができない目標は次の取り組みの反省材料になりえません。そこに注意して目標を設定し、次に活かせるものにすることが重要です。
【その2】客観的な分析をさせる
2つ目に、子どもの行動を客観的に分析することです。識学では、子どもが自分の行動を客観的に分析し、改善することが重要であると考えています。自分の行動を記録してもらい、どのような行動が目標達成に役立っているのか、どのような行動が妨げになっているのかを分析してもらいましょう。
例えば、「勉強する時間が足りない」という問題がある場合、子どもは自分の行動を記録することで、どのようなことに時間を費やしているかを客観的に把握することができます。そうすることで、勉強に費やす時間を増やすなど、問題の解決策を立てることができます。
スマホのスクリーンタイムや学校のワークの取り組みが、数値的に判断しやすいものでしょう。ここでも注意しなければいけないのが、「客観的である」という点です。子どもや親の主観による判断はいけません。
「ゴロゴロしないでちゃんと勉強しなさい!」などは親目線の主観的な判断です。「ワークを〇〇ページやった」や「この問題ができるようになった」など、子ども目線で客観的に判断させましょう。
「ちゃんとやってる」など子ども目線の主観的な判断をしているようであれば、数値で判断できる、または具体的に分析をする手伝いをしてあげることが重要です。
【その3】自分の行動に責任を持たせる
3つ目は、子どもに自分の行動に責任を持たせることです。識学では、自分の行動に責任を持つことが重要であると考えています。子どもには、自分の行動の結果に対して責任を持つように指導し、結果が良くない場合でも、あきらめずに努力し続ける姿勢を身に付けてもらいましょう。
例えば、「宿題を忘れた」という問題がある場合、子どもは自分の行動に責任を持つことで、問題を解決することができます。宿題を忘れないように、早めに宿題を始めるようにしましょう。
さらに「宿題ができなかった原因」を考えさせること責任を持たせることに有用です。
「スマホを見すぎていた」や「スケジュールに余裕がなかった」など宿題ができなかった原因を親子で考え、宿題をできるようにするにはどのように取り組むべきなのか考え、今後の取り組み方を改善していくのが良いでしょう。
【その4】学習の喜びを味わせる
さいごに、子どもに学習の喜びを味わわせることです。識学では、子どもが自分の目標を達成することの喜びを味わうことが重要であると考えています。子どもには、目標を達成したときに、その喜びを存分に味わうようにしましょう。
例えば、「数学のテストで95点以上取った」という目標を達成した場合、子どもにはその喜びを存分に味わうようにしましょう。そのためにもたっぷり褒めてあげてください。その際に注意することは「結果」ではなく「結果+仮定」で褒めることが重要です。
結果だけを褒めていると結果だけを重視するようになります。極端な例ですが「結果さえ出ればカンニングしてもよい」と間違った認識を持たせることに繋がりかねません。「過程を褒める」ことでこれを防ぐことができます。
「今回は95点取れてすごいね!毎日、数学の勉強した成果が出たね!」のようになるべく具体的にその良い結果を導いた取り組みを褒めてあげましょう。そうすることで、子どもはさらに努力するモチベーションを高めることができます。
識学の理論を活かした教育法を取り入れることで、子どもの学習を効果的にサポートすることができます。子どもが目標を達成し、学習の喜びを味わうことができるように、識学の理論を活用しましょう。
【さいごに】親が学ぶべき理論、識学
識学はマネジメント理論です。マネジメントとは目標を達成するために計画や指示、監督をすることです。つまり識学は子どものマネジメントをする親こそ学ぶことが多い理論と言えると思います。
勉強は子どもがすることのように思いますが、親こそ率先してすべきことなのかもしれません。
子どもに手本を示す意味でも親がまず学び、その姿勢を子どもに示していきましょう。
参考図書
安藤広大:リーダーの仮面 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法:ダイヤモンド社出版
安藤広大:数値化の鬼「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法:ダイヤモンド社出版
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