知識を子どもとの関わりに活かす【7つの習慣】

学習塾

今回は「7つの習慣」にある考え方を子どもとの関係に活かす方法を考えてみたいと思います。ビジネス書ではありますが、子どもとの接し方や学習塾の教室長としての考え方に役に立つ知識がありました。

「7つの習慣」を読んで、印象に残ったことや子どもとの関係を気づくために大切にしたいことを中心に書いていきたいと思います。

次のような方々の参考になれば幸いです。

  • 子どもとの付き合い方に悩んでいる人
  • 小学生や中学生対象の教育事業に携わる方
  • 学習塾で働いている方

それではいきましょう!

理解する、そして理解される

わたしたち大人は子どもに指示を出す場面が多く存在します。「片付けをしなさい」「宿題をやりなさい」など毎日のように子どもに言いつけてはいないでしょうか?

しかし、どれだけ言いつけても言うことを聞いてくれないお子さんもいらっしゃると思います。そんな時にこんなふうに感じではいませんか?

「この子はどれだけ言ってもわからない」と。

【7つの習慣】ではこんな場面の時、このような姿勢あれと言っています。

まずは相手のことを理解する。アドバイスやあなたの経験に照らし合わせてはいけない。ただただ、相手の伝えたいことを聞いてあげることが傾聴をすべきである。「理解」することが重要なのであり、そこに助言やあなたの価値観を押し付けてはいけない。

本文にはあるやりとりがありました。父と息子の会話です。

そこで父は自分の価値観を息子に押し付けようとしていました。息子はその価値観によって自分の価値観が潰されるような危機感を感じていました。

もしかすると、私自身、生徒の価値観を押し潰してしまうような言動があったかと反省させられる内容でした。

間違ったことを言っていないという自負はありますが、わたしのことを理解してくれていないと感じる生徒のことを私自身が理解できていないことを理解できました。

みなさんはどうでしょうか?子どものことを本当に理解できているのでしょうか?

理解する前に理解してもらう。お子さんがあなたのことを理解していないのであれば、先にお子さんを理解する。これが理解してもらう近道なのかもしれません。

【傾聴する】相手のことを理解する方法

私たちが普段、相手の話を聞いている時、理解しようとして聞いているのではなく、「次に何を話そうか」と考えながら聞いていることがほとんどです。

つまり「次に話すために聞いている」のであって「相手のことを理解するために聞いている」のではないと筆者は話しています。

みなさんにも身に覚えがあるのではないのでしょうか?

学校であったり会社であったり「こうやって答えないと怒られる」とか「〇〇について指摘されそうだな」など、自分にネガティブな影響を及ぼさないように、話を聞いていた経験がどなたでもあると思います。

このように自分のことを軸に置いていては相手のことを理解できません。そこで意識しなければいけないのが「傾聴する」ということです。

「聞く」と「傾聴する」の違い

聞くことにも傾聴することには明確な境があるわけではなく、グラデーションのようになっています。

本の中には「聞く」ということにはレベルが5段階あり、上がるほど傾聴することに到達すると書かれています。

レベル1:無視する

当たり前ですが聞いてさえいなければ傾聴ではありません。

相手のことをまず聞くことから傾聴はスタートします。

レベル2:聞くふりをする

ゲームやスマホをしながら「うんうん」と相づちをとっているような姿勢です。

つねにスマホを手にしている人は要注意です。相手はあなたのことを「話を聞いてくれない人」と感じているかもしれません。

レベル3:選択的に聞く

大人が子ども、特に3〜5歳程度の幼い子どもの話を聞く時にしている姿勢です。

「今日〇〇ちゃんとあそんだよ。積み木して遊んだ」

「ふーん、積み木したんだ」

こんなふうなやりとりが選択的に聞いている姿勢です。

レベル4:注意して聞く

相手が話すことをもらさないように注意して聞く姿勢です。

人によってはこれが最高レベルの聞く姿勢にだと思いこの姿勢を「傾聴する」姿勢だと思っているかもしれません。しかし、これよりもさらに上のレベルが存在します。

レベル5:共感による傾聴

共感とは相手の視点で物事を考える、または感じることです。そしてそこから話し手の気持ちを理解しようとする姿勢のことです。

共感による傾聴とは、「相手を理解しようとして聴くことであり、相手の身になって聴くことである」と言えます。

さらに筆者はこのように続けます。

共感による傾聴は相手の信頼口座へ残高を貯めることを促す。

相手はあなたが共感による傾聴をしてあげるほど、あなたに対する信頼の残高が貯まっていきます。

そこには「こう言われたらこう話そう」とか「相手にこの体験談を話してやろう」といった、自分本位な軸は存在しないし、存在すれば「共感している」とは言えないでしょう。

そしてあなたへの信頼預金が貯まってくるほど、相手はあなたのことを信頼し、理解してくれるように相手の姿勢が変化していきます。

【スキル】傾聴のスキル4段階

筆者は小手先のスキルではなく、原則に則った行動を進めています。特に人格を形成するために原則に忠実にならねばならない、と強く説いています。

ですが少なからずスキルを持つことが役に立つとも語っています。ここではどのようにすれば「傾聴する」を体現できるかついて作中に出てくる4段階の傾聴のスキルを紹介します。

【傾聴の第1段階】オーム返しする

子ども「学校行きたくない」

大人「学校に行きたくないんだね」

相手の言葉をそのまま繰り返す「積極的傾聴」や「振り返りの傾聴」などと呼ばれるものです。

相手の言葉を注意して聞こうという姿勢を示すことができます。一方で人格ができておらず、相手との信頼関係のない間柄で行うと、この聴き方が失礼となり、かえって相手の心を閉ざす原因となるため注意が必要です。

【傾聴の第2段階】自分の言葉に置き換える

子ども「学校行きたくない」

大人「そうか、学校が行くのがイヤなんだね」

この段階は第1段階より少し進み、相手の言葉の真意を理解しようとし言い換えていることがポイントです。

第1段階では言葉をそのまま繰り返していましたが、第2段階になるとその中に含まれている意図や意思を汲み取ろうという姿勢がみられます。

【傾聴の第3段階】相手の気持ちを言葉にする

子ども「学校行きたくない」

大人「なんだかイライラしているようだね」

ここでは言葉よりもその言葉を発する原因となっている気持ちにフォーカスが向いています。

第2段階までは左脳によって相手の言葉を理性的、論理的に理解するため、相手の感情に寄り添っていません。しかし第3段階になると、より深く相手の内面を読み取ろうという姿勢が感じられます。

これは第3段階から、左脳ではなく右脳によって相手の感情を読み取ろうとしています。

個人的な意見ですが「共感による傾聴」は、ここからがスタートだと思います。

【傾聴の第4段階】2と3を組み合わせる

子ども「学校行きたくない」

大人「学校に行くのがイヤだなんて、なんだかイライラしているようだね」

ここでは左脳と右脳を使って、相手が伝えようとしてくる言葉と気持ちを理解しようとしています。

そして筆者はこの第4段階の共感による傾聴を身につけること次のような信じられない効果が得られると言っています。

共感して傾聴するスキルを第4段階まで身につける。本心から相手のことを理解したいと思う。相手の言葉を自分の言葉に置き換え、相手の気持ちを言葉にする。すると相手に心理的な空気を送り込むことができる。

相手に心理的な空気を送り続けると、相手はあなたに真の心のうちを見せても良い相手だと、信頼できる相手だと認識する。そこではじめて胸の奥底にある傷つきやすい感情や考えをあなたに見せても良いのだと考えるようになる。

このような状況こそ「信頼しあっている」と言えるのかもしれません。傾聴が信頼関係を構築するための手段になると言うことです。

4つのNGアクション

傾聴を心がける時に「これは絶対にやめて」と筆者が言っている4つのNGアクションについて説明します。この4つの行動をしないだけでも、相手はあなたに「話をしたい」という気持ちを持ちやすくなると思います。

紹介するアクションは、一見すると相手のことを思っているような行動にも感じられます。しかしその実は、相手をコントロールしたいという気持ちが存在している行動です。

相手をコントロールしたいがための行動では信頼関係ができることはあり得ません。「共感の傾聴」をしようとする際には決してしないように意識していきましょう。

[NG1]評価する

子ども「学校行きたくない」

大人「学校は行かなきゃいけないところだから休んじゃダメ」

これが「評価する」です。良い、悪いなど、相手の意見に対し同意か反対かの反応を示すことを「評価する」と言います。

もちろん普遍的な正しいことと悪いことは存在しますし、それを指摘することが全て悪いことではありません。(人を傷つけてはいけない、など)

ここでは子どもが「学校に行きたくない」という気持ちを「悪いこと」と評価しています。子どもは行きたくない気持ちを評価して欲しいのでしょうか?それとも理解して欲しいのでしょうか?

理解に徹しようとしたら伝える言葉は変わってくると思います。

[NG2]探る

子ども「学校行きたくない」

大人「なにかあったのか?いじめられてたりするのか?」

自分の視点から物事をみて質問する。これが「探る」です。

特に思春期の子どもが嫌がることではないでしょうか?自分のことを理解してくれていない相手に探られることほど気持ちの悪いものはありません。

そして探られるほどに頑なに殻に閉じこもろうとするものです。それはその相手が身を守るための生理的な行動で、まさにヤドカリが殻の中に閉じこもる様に似ています。

信頼関係のない人間にうちに秘めていることを探られたい人間はいないものです。

[NG3]助言する

子ども「学校行きたくない」

大人「学校での学びは、今はわからなくても、将来必ず役に立つ」

子どもはこんな助言が聞きたくて、話をしたのでしょうか?もっと深い内面に存在する悩みや問題を聞いて欲しくて話をしたのではないでしょうか?

そもそも子どもは学校の学びが大切ではないと本当に思っているのでしょうか?

言葉を表面的に理解し、分かったふうに助言をしてしまうと信頼はどんどん損なわれます。「あの人に相談しても的外れ」そんなレッテルを貼られしまいには話もしてもらえなくなるかもしれません。

[NG4]解釈する

子ども「学校行きたくない」

大人「確かに学校に行きたくないこともあるよね、中学校の頃の私もそうだった。でも行っておいた方がいいよ」

自分の動機や行動を基にして相手の動機や行動を説明する。それが解釈です。

相手の子供はあなたの昔話が聞きたいのでしょうか?自分の悩みを聞いてもらい、理解して欲しいのではないでしょうか。

信頼銀行の残高を増やす

人は誰であっても、相手に対する信頼口座を持っています。全ての人が関係のある全ての人に対し、それぞれの口座を持っています。

この口座の残高は日々の生活の中で、増えたり減ったりしていきます。例えば「約束を守る」という行動は残高を増やす、その一方で「無礼な態度」は残高を減らすことになります。

信頼口座を貯めるには、「共感の傾聴」をするなど相手のことを思いやる行動が不可欠です。

信頼口座の特徴は人生において重大な局面で生きてくるということです。人生における重大な選択などは信頼口座の残高が高くないと相手はあなたの言葉を聞いてはくれません。

学校選びや結婚など、人生の選択をするときにあなたの言葉が相手に届くかどうかは、この信頼口座の残高にかかっています。

もしあなたが「子どもが言うことを聞いてくれない」と悩んでいるようであれば、あなたの信頼口座が少ないのかもしれません。マイナス状態である場合さえ考えられます。

まず理解に徹し、そして理解される。信頼口座を貯める第一歩は相手のことを理解することです。

相手を理解するための傾聴を常に意識することが信頼関係を気づく方法なのかもしれません。

【まとめ】習慣が未来の希望をつくる

今の人生に不満や悩みがあるとき。その問題はきっと簡単には解決しないでしょう。

特に人間関係の問題は一朝一夕で改善されるものでなく、双方に深く根付いてしまっている場合が保とんだからです。

「7つの習慣」はこのような問題の解決方法を示してくれているように感じます。

特に人間関係において、「理解し理解される」「共感の傾聴をする」「信頼口座の残高を貯める」の3つの方法はよい解決方法と言えるのではないでしょうか。

むしろ他の解決方法があったとしても、それは表面的な応急処置でしかなく、真の解決とは言えないと思います。

習慣は原則と深く結びつき、正しく習慣化することはより良い結果につながるのだと教えられるようでした。

勉強にももちろん言えます。テスト前の徹夜などは良い例ではないでしょうか?

その時々のテストはなんとかなるかもしれません。しかしそれは単なるその場しのぎ。本当に実力が試される受験のような場であればそのメッキはいともたやすくはがされる。そんな気がしてなりません。

習慣は毎日の小さな自己投資です。その自己投資を通じて少しずつ自分が成長する。これ以外に私たちが未来に対して希望を抱く方法はないのではないでしょうか?

習慣があなたを成長させ、その成長が希望を抱く礎となるような気がしてなりません。私自身も日々の暮らしの中で、自己投資する習慣を確立させようと思います。

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